ただ、この夜から抜け出したくて。
「ちひろちゃん、篤見です。嫌だと思うけど聞いてくれる?妊娠の話、ちゃんとちひろちゃんに言えなくてごめんね。後悔してる、迷わずに言えば良かったって」
「…」
「許してもらえないのは分かってるから。また初めから、ちひろちゃんと向き合おうと思ってるよ。あとね、家から出られるようになったら、一緒に病院に行こう。元気にお腹の子が育ってるか、見に行こう」
「育たなくて良い。別に、育てるつもりもないし」
やはり、育てる気はないみたい。
中絶を考えている予想は当たっていた。