ミルクティーの音色
ころころ表情を変える点も好きだった。
晴れになり雨になり、曇っては晴れて。
雪を降らせて、七色の橋をかけて。
淡い水色のキャンバスに、色とりどりの表情が映し出される。
「中学の時もよく、授業サボってたの。なんでか知らないけど、中学の屋上の鍵も壊れてて。ひとりで携帯持って屋上行って、よく写真撮ってた」
ポケットを探って、携帯を取り出そうとする。
手に触れる感触は何もなくて、部屋に置いてきたのだと気づいた。
「へー。写真撮ってたんだ、俺もカメラとかやったことある」
「カメラ?すごい、多趣味」
「俺のことはいいから。今は香音の話が聞きたいの」
話をそらそうとしたのに、上手いこと戻されてしまった。
苦笑しながら口を開く。
「それで、まぁ、やっぱ怒られまして。蒼真くんみたいに、助けてくれる人もいなかったし」
いつも通りひとりで空を眺めていたら、ドアの開く音がした。
誰かサボりに来たのかな、なら仲良くしてみようかな。
そう思いながら振り返ると、そこにいたのは鬼の形相を浮かべた担任の先生だった。
晴れになり雨になり、曇っては晴れて。
雪を降らせて、七色の橋をかけて。
淡い水色のキャンバスに、色とりどりの表情が映し出される。
「中学の時もよく、授業サボってたの。なんでか知らないけど、中学の屋上の鍵も壊れてて。ひとりで携帯持って屋上行って、よく写真撮ってた」
ポケットを探って、携帯を取り出そうとする。
手に触れる感触は何もなくて、部屋に置いてきたのだと気づいた。
「へー。写真撮ってたんだ、俺もカメラとかやったことある」
「カメラ?すごい、多趣味」
「俺のことはいいから。今は香音の話が聞きたいの」
話をそらそうとしたのに、上手いこと戻されてしまった。
苦笑しながら口を開く。
「それで、まぁ、やっぱ怒られまして。蒼真くんみたいに、助けてくれる人もいなかったし」
いつも通りひとりで空を眺めていたら、ドアの開く音がした。
誰かサボりに来たのかな、なら仲良くしてみようかな。
そう思いながら振り返ると、そこにいたのは鬼の形相を浮かべた担任の先生だった。