ミルクティーの音色
もう、心が壊れていたんだと思う。
知らないうちにヒビが入り、そこから割れた心。
もう、治せなかった。
引っ張るような形で職員室まで連れて行かれ、また尋問まがいのものが始まった。
『あれほど屋上には行くなと言ったでしょう』
『空が好きだからって、授業をサボっていい理由にはならないのよ』
『一体何度言わせるんだ。しっかりしろ。幼稚園生じゃないんだぞ、中学生なんだぞ』
担任の先生は親に連絡を入れたらしく、少ししたら母親が額に汗を浮かべてやってきた。
『本当に申し訳ありません、うちの子が……!厳しく言っておきますから。本当にすみません』
手で強制的に頭を下げられ、下ろした髪がだらりと垂れた。
私は早退させられ、母親とふたりで学校を出た。
外は雨が降っていた。
ざあざあと絶え間なく降り、肌を打ち付ける冷たさが体温を奪っていく。
───空に、嘲笑われたような気がした。
壊れた心といえど、多少の痛みは感じるわけであって。
怒鳴られても何も感じないというのに、その時私が何に痛みを感じたのかが、よく分からない。
知らないうちにヒビが入り、そこから割れた心。
もう、治せなかった。
引っ張るような形で職員室まで連れて行かれ、また尋問まがいのものが始まった。
『あれほど屋上には行くなと言ったでしょう』
『空が好きだからって、授業をサボっていい理由にはならないのよ』
『一体何度言わせるんだ。しっかりしろ。幼稚園生じゃないんだぞ、中学生なんだぞ』
担任の先生は親に連絡を入れたらしく、少ししたら母親が額に汗を浮かべてやってきた。
『本当に申し訳ありません、うちの子が……!厳しく言っておきますから。本当にすみません』
手で強制的に頭を下げられ、下ろした髪がだらりと垂れた。
私は早退させられ、母親とふたりで学校を出た。
外は雨が降っていた。
ざあざあと絶え間なく降り、肌を打ち付ける冷たさが体温を奪っていく。
───空に、嘲笑われたような気がした。
壊れた心といえど、多少の痛みは感じるわけであって。
怒鳴られても何も感じないというのに、その時私が何に痛みを感じたのかが、よく分からない。