ミルクティーの音色
───どうか、笑わないで。
黒い空が、私を笑っているように感じた。
もう、空を好きだとは思えなかった。
「……はい、これで私の話はおしまい。言った通り、大した話じゃなかったでしょ?」
「うん、大した話じゃなかったな」
「なにそれ。聞いてきたくせに」
「嘘だよ。ありがとね、話してくれて」
はぁ、と息を吐いた。
言ってしまった、という喪失感と、こんな筋の通っていない話をしてしまったという自己嫌悪でいっぱいになった。
───死にたい。
久々に、そう感じた。
それでも、フェンスを握る手に力を込め、足を浮かせることはしなかった。
代わりに、隣にいる蒼真くんに抱きついた。
「わっ」と声を上げた蒼真くんは、驚きながらも私の身体に腕を回してくれた。
「なに、どうしたの?」
「……死にたくなった」
「そう」
素っ気ない。だけれど、その声色の奥底には、大きな優しさがあると、私は知っている。
他の人から見れば、冷たいと言われるんだろう。
黒い空が、私を笑っているように感じた。
もう、空を好きだとは思えなかった。
「……はい、これで私の話はおしまい。言った通り、大した話じゃなかったでしょ?」
「うん、大した話じゃなかったな」
「なにそれ。聞いてきたくせに」
「嘘だよ。ありがとね、話してくれて」
はぁ、と息を吐いた。
言ってしまった、という喪失感と、こんな筋の通っていない話をしてしまったという自己嫌悪でいっぱいになった。
───死にたい。
久々に、そう感じた。
それでも、フェンスを握る手に力を込め、足を浮かせることはしなかった。
代わりに、隣にいる蒼真くんに抱きついた。
「わっ」と声を上げた蒼真くんは、驚きながらも私の身体に腕を回してくれた。
「なに、どうしたの?」
「……死にたくなった」
「そう」
素っ気ない。だけれど、その声色の奥底には、大きな優しさがあると、私は知っている。
他の人から見れば、冷たいと言われるんだろう。