ミルクティーの音色
浜辺には先客が沢山いて、俺たちは人気が少ない端っこの方に腰を下ろした。
人の声をかき消すように、波音が響く。
明かりが少ないからか、うねる波がいつもより、怖く見える。
波音も人の声もすべて通り抜けて、明るいアナウンスが響いた。
『───それではこれより、花火の打ち上げを開始いたします。皆様、上空にご注目ください』
辺りが静まり返り、全員の視線が空に向く。
『上空に、美しい光の花が、咲き誇ります。3、2、1───』
───深い空に、光が弾けた。
高い高い上空で花開き、すぐに散っていく。
最初の一輪を皮切りに、どんどん咲いていく。
咲いて散った光の花びらは青い海へと落ち、消える。
こんなにも美しいのに、人の心を震わせるのに、すぐに消えてしまう。
儚く、散ってしまう。
ふと、隣にいる香音を見た。
彼女は俺に目もくれず、儚い光を見ていた。
その美しい瞳に、光を映して。
人の声をかき消すように、波音が響く。
明かりが少ないからか、うねる波がいつもより、怖く見える。
波音も人の声もすべて通り抜けて、明るいアナウンスが響いた。
『───それではこれより、花火の打ち上げを開始いたします。皆様、上空にご注目ください』
辺りが静まり返り、全員の視線が空に向く。
『上空に、美しい光の花が、咲き誇ります。3、2、1───』
───深い空に、光が弾けた。
高い高い上空で花開き、すぐに散っていく。
最初の一輪を皮切りに、どんどん咲いていく。
咲いて散った光の花びらは青い海へと落ち、消える。
こんなにも美しいのに、人の心を震わせるのに、すぐに消えてしまう。
儚く、散ってしまう。
ふと、隣にいる香音を見た。
彼女は俺に目もくれず、儚い光を見ていた。
その美しい瞳に、光を映して。