ミルクティーの音色
現状はもっと、違う結果に、悲惨な結果になっていたのかもしれない。
「……わたし、そろそろ行くから。ぜんぶ言わなきゃだし」
町田先生はそう言って立ち上がると、しゃんと背筋を伸ばして歩いて行った。
その背中からは先程まで泣いていたことも、感情的になっていたことも見て取れない。
凜々しくて、誰かが入り込む隙間はない。そんな後ろ姿。
いや、その隙間を作っていないのだろうか。
誰かが心に入り込まないように、自分を守るために、隙間を埋めているのかもしれない。
───私と、似ている。
不謹慎ながらそう思った。
きっと愛して欲しくて仕方がなくて、でも傷つきたくなくて。
だからこそ自分から心を閉ざして、ひたすらに自分を守る。
やっぱり、私と、同じだ。
「佐々木さん!」
蒼真くんが私を呼ぶ声がした。
ゆっくりと立ち上がり、駆け寄ってきた彼に視線を向ける。
「……大丈夫?」
「……わたし、そろそろ行くから。ぜんぶ言わなきゃだし」
町田先生はそう言って立ち上がると、しゃんと背筋を伸ばして歩いて行った。
その背中からは先程まで泣いていたことも、感情的になっていたことも見て取れない。
凜々しくて、誰かが入り込む隙間はない。そんな後ろ姿。
いや、その隙間を作っていないのだろうか。
誰かが心に入り込まないように、自分を守るために、隙間を埋めているのかもしれない。
───私と、似ている。
不謹慎ながらそう思った。
きっと愛して欲しくて仕方がなくて、でも傷つきたくなくて。
だからこそ自分から心を閉ざして、ひたすらに自分を守る。
やっぱり、私と、同じだ。
「佐々木さん!」
蒼真くんが私を呼ぶ声がした。
ゆっくりと立ち上がり、駆け寄ってきた彼に視線を向ける。
「……大丈夫?」