ミルクティーの音色


2


毎日聞くアラーム音で目が覚めた。
カーテンから漏れ出る光が、朝だと言うことを告げている。


身体を起こすと、ひどく重怠かった。
昨晩酒は飲まなかったはずなのに、二日酔いのような感じだ。


その理由は分かる。
きっと、心の不調から来ているのだと思う。
昨日町田先生から鋭い言葉を投げつけられ、自分でも予想以上に疲弊していた。


なにも食べる気にはなれなかった。
だからといって朝ご飯を食べないで学校に行くのは辛いし、食パンを一枚だけ口に放り込んだ。


歯を磨き、スーツに着替える。
少ししわがついたワイシャツと上手く結べないネクタイが、暗い俺の心を表しているようだった。


適当に髪をセットし、家を出る。
マンションの駐車場に止めた車に乗り込み、エンジンをかけた。
数十分運転すれば白亜の校舎が見えてくる。


駐車場に車を止め、職員玄関から校舎に入った。
階段を上り、職員室がある二階に向かう。
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