ミルクティーの音色
授業を抜け出した佐々木さんを探して、と言われて校舎を回った。
まずは空き教室を見て、その次に屋上に向かった。
普通は屋上なんて浮かばないだろう。
でも俺は、屋上に行くべきのような気がした。
きっと、なにかに引かれたんだと思う。
そのなにかはきっと、佐々木さんという存在だ。
――俺はずっと、自分に穴が開いていると思っていた。
その穴が埋まることはない。
何をしたところで埋まらないし、また抉られることもない。
ぽっかりとした穴から、自分自身の欠片をこぼしていくような日々。
唯一ピアノを弾いているときだけ、すべて忘れられた。
鍵盤に手を乗せ、目まぐるしくメロディーを奏でていく。
ピアノを弾いている瞬間、俺の世界はピアノだけになる。
ピアノを弾いているときだけ心の穴が埋まる、そんなことではない。
自分の心に穴が開いているという事実を忘れているだけだ。
結局俺の心の穴は埋まらず、弾き終えると人形のように放心状態になってしまう。
まずは空き教室を見て、その次に屋上に向かった。
普通は屋上なんて浮かばないだろう。
でも俺は、屋上に行くべきのような気がした。
きっと、なにかに引かれたんだと思う。
そのなにかはきっと、佐々木さんという存在だ。
――俺はずっと、自分に穴が開いていると思っていた。
その穴が埋まることはない。
何をしたところで埋まらないし、また抉られることもない。
ぽっかりとした穴から、自分自身の欠片をこぼしていくような日々。
唯一ピアノを弾いているときだけ、すべて忘れられた。
鍵盤に手を乗せ、目まぐるしくメロディーを奏でていく。
ピアノを弾いている瞬間、俺の世界はピアノだけになる。
ピアノを弾いているときだけ心の穴が埋まる、そんなことではない。
自分の心に穴が開いているという事実を忘れているだけだ。
結局俺の心の穴は埋まらず、弾き終えると人形のように放心状態になってしまう。