ミルクティーの音色
「あ、えっと……」
「佐々木さん、だっけ。よく授業サボってるって聞くけど」
私が手をかけていたフェンスにもたれて、渋谷先生は私を見つめる。
焦げたような茶色をした瞳に、吸い込まれてしまいそうになった。
「なに、授業つまんない?それとも、別の理由?」
馬鹿正直に言う必要はない。
『まぁ、そんなところです』とでも言って誤魔化しておけば良い。
「人生なんて意味がないって、思いません?そんな世界で生きてても、仕方ないなぁって思ったんです」
───そう言ってしまったのは、先生のせい。
渋谷先生は口元を緩めると、私に向けていた視線を空に移した。
先生の顔をまじまじと見たのは初めてだけど、よく見ると意外に整っている。
「高校二年生が随分と重いこと考えるんだね」
「そうですかね」
私ももう一度空を見てみる。
やっぱり、飛べそうな気がした。
フェンスを乗り越えようかと、足を浮かせる。
「佐々木さん、だっけ。よく授業サボってるって聞くけど」
私が手をかけていたフェンスにもたれて、渋谷先生は私を見つめる。
焦げたような茶色をした瞳に、吸い込まれてしまいそうになった。
「なに、授業つまんない?それとも、別の理由?」
馬鹿正直に言う必要はない。
『まぁ、そんなところです』とでも言って誤魔化しておけば良い。
「人生なんて意味がないって、思いません?そんな世界で生きてても、仕方ないなぁって思ったんです」
───そう言ってしまったのは、先生のせい。
渋谷先生は口元を緩めると、私に向けていた視線を空に移した。
先生の顔をまじまじと見たのは初めてだけど、よく見ると意外に整っている。
「高校二年生が随分と重いこと考えるんだね」
「そうですかね」
私ももう一度空を見てみる。
やっぱり、飛べそうな気がした。
フェンスを乗り越えようかと、足を浮かせる。