ミルクティーの音色
毎日自炊をしているから、二人分の食事くらい簡単に用意できる。


「佐々木さん、何か食べられないものとかある?アレルギーとか」

「大丈夫です。ご飯の用意ですか?私やりますよ」

「いいよいいよ、座ってて。疲れてるでしょ」

「それを言うなら先生もだと思いますけど……じゃあお言葉に甘えて、ちょっと休ませて貰います」


ソファに座っていた佐々木さんは、やがて疲れたのか眠ってしまった。
可愛らしい寝顔を横目に、俺は料理を始める。


鍋に水とだしを入れて火にかける。
適当に切った野菜を入れて、火が通ったら味噌を入れれば味噌汁の完成。
昨日のうちに下準備をしておいた魚をオーブンに入れて焼く。
ご飯が炊かれた音を目覚ましかのように、佐々木さんが起きた。


「あれ、私寝ちゃって……」

「いいよ。ご飯出来たよ、食べる?」

「じゃあ、いただきます」


白い湯気を立てる白米と味噌汁を茶碗に盛り、焼き上がった魚も皿に乗せて運ぶ。
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