ミルクティーの音色
───もう、無理かもしれない。
心の中に閉じ込めていた、秘めた想いがあった。
それを言えるのは最短でも数年後で、今は隠しておくべきもので。
ずっと、見て見ぬふりをしていた。
佐々木さんを好きだという、自分の気持ちに。
「……ねぇ、佐々木さん」
「なんですか?」
「彼氏とか好きな人とか、いないの?」
「急にどうしたんですか」
「いや、いたとしたらさ、ここにいるのあれかなーって思って。でもごめん、流石にデリカシーなかったか」
蛇口を捻って、水を出す。
勢いよく出し過ぎたせいか、はねて顔にかかった。
それに驚いて小さく声を上げる。
顔についた水滴を手首辺りで拭っていると、熱のこもった視線が俺を見つめているのに気がついた。
ゆっくりと顔を向けると、佐々木さんが俺をじっと見つめている。
ふたりしかいない部屋には、水が出る音だけが響いている。
「いないですよ。彼氏は。好きな人はいます」
心の中に閉じ込めていた、秘めた想いがあった。
それを言えるのは最短でも数年後で、今は隠しておくべきもので。
ずっと、見て見ぬふりをしていた。
佐々木さんを好きだという、自分の気持ちに。
「……ねぇ、佐々木さん」
「なんですか?」
「彼氏とか好きな人とか、いないの?」
「急にどうしたんですか」
「いや、いたとしたらさ、ここにいるのあれかなーって思って。でもごめん、流石にデリカシーなかったか」
蛇口を捻って、水を出す。
勢いよく出し過ぎたせいか、はねて顔にかかった。
それに驚いて小さく声を上げる。
顔についた水滴を手首辺りで拭っていると、熱のこもった視線が俺を見つめているのに気がついた。
ゆっくりと顔を向けると、佐々木さんが俺をじっと見つめている。
ふたりしかいない部屋には、水が出る音だけが響いている。
「いないですよ。彼氏は。好きな人はいます」