ミルクティーの音色
持っていた皿を、取り落としそうになった。
心の中で、安心している自分がいた。
きっと佐々木さんは恋をしていないだろうと、決めつけている自分がいた。
いや、違う。
俺は、佐々木さんを見限っていたんだろう。
感情を抱かないロボットのように思って、そんな佐々木さんであれば恋はしないと、思っていたんだろう。
佐々木さんだって人間なのに。
今ここで、確かに生きているのに。
「……ごめん」
「先生?どうして謝るんですか」
言葉が見つからない。
何を言ったらいいのだろう。
今の俺が放つ言葉は、すべて佐々木さんを傷つけてしまうような気がする。
未だ部屋には水の音だけが流れている。
先程まで談笑していたとは思えないほどに冷ややかな空気が漂っている。
「先生はどうなんですか」
「……え、なにが」
「彼女さんとか、好きな人とか。いないんですか」
一度顔を背け、皿洗いを終わらせた。
最後に手を洗いながら、佐々木さんの質問に答える。
心の中で、安心している自分がいた。
きっと佐々木さんは恋をしていないだろうと、決めつけている自分がいた。
いや、違う。
俺は、佐々木さんを見限っていたんだろう。
感情を抱かないロボットのように思って、そんな佐々木さんであれば恋はしないと、思っていたんだろう。
佐々木さんだって人間なのに。
今ここで、確かに生きているのに。
「……ごめん」
「先生?どうして謝るんですか」
言葉が見つからない。
何を言ったらいいのだろう。
今の俺が放つ言葉は、すべて佐々木さんを傷つけてしまうような気がする。
未だ部屋には水の音だけが流れている。
先程まで談笑していたとは思えないほどに冷ややかな空気が漂っている。
「先生はどうなんですか」
「……え、なにが」
「彼女さんとか、好きな人とか。いないんですか」
一度顔を背け、皿洗いを終わらせた。
最後に手を洗いながら、佐々木さんの質問に答える。