ミルクティーの音色
あたたかい光
第二章 あたたかい光
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私たちは恋人同士になった。
とは言っても、学校では変わらず放課後の一時間しか一緒にいない。一緒にいられない。
それが嫌だとも、悲しいとも思わない。
音楽室を出るあの瞬間の寂しさは尋常じゃないけれど、それ以上に濃い一時間を過ごせている気がする。
今日も変わらず、私は音楽室に向かう。
二回のノック。それが、私だというしるし。
いつも通り伸びやかな声が返ってきて、聞ききる前にドアを開ける。
渋谷先生は今日もピアノに向かっていた。
好きなのは分かるけれど毎日弾いて飽きないのだろうか。
「先生、毎日ピアノ弾いて飽きないんですか?」
「まぁ、弾く曲ころころ変えてるし。聞いてくれる人がいるなら、飽きないよ」
何気なく発された一言に嬉しくなって、笑いながら荷物を置いた。
荷物を置く場所も、座る場所も、定位置のように決まっている。
今日もタブレットで小説を書こうかと思ったけれど、久々に渋谷先生が弾くピアノのメロディーに聞き惚れることにした。
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私たちは恋人同士になった。
とは言っても、学校では変わらず放課後の一時間しか一緒にいない。一緒にいられない。
それが嫌だとも、悲しいとも思わない。
音楽室を出るあの瞬間の寂しさは尋常じゃないけれど、それ以上に濃い一時間を過ごせている気がする。
今日も変わらず、私は音楽室に向かう。
二回のノック。それが、私だというしるし。
いつも通り伸びやかな声が返ってきて、聞ききる前にドアを開ける。
渋谷先生は今日もピアノに向かっていた。
好きなのは分かるけれど毎日弾いて飽きないのだろうか。
「先生、毎日ピアノ弾いて飽きないんですか?」
「まぁ、弾く曲ころころ変えてるし。聞いてくれる人がいるなら、飽きないよ」
何気なく発された一言に嬉しくなって、笑いながら荷物を置いた。
荷物を置く場所も、座る場所も、定位置のように決まっている。
今日もタブレットで小説を書こうかと思ったけれど、久々に渋谷先生が弾くピアノのメロディーに聞き惚れることにした。