ミルクティーの音色
職員室に戻ると朝の朝礼が始まるところだった。
毎朝代わり映えのない教頭先生の話を聞き、朝礼が終わると俺は出席確認簿を持って職員室を出た。


うちの学校は三人の教師が二クラスを数週間毎に受け持つグループ担任制だ。
三人のうち二人は担任をするが、一人は副任として二クラスのサポートをする。


今週から来週にかけて副任の俺は、二クラスの出席確認をしなければいけないのだ。


二年五組に入り、既に教室にいた担任の先生に確認をする。
欠席連絡があるのは三人で、このクラスは三十二人いるから、二十九人いれば丁度いいはず。


「あれ、佐々木さんは」


人数を数えても教室内にいるのは二十八人。
佐々木さんの席は空席で誰もいない。
ロッカーを確認すれば荷物はあるから、教室ではないどこかにいるということだ。


「いないですね、どこ行ったんでしょう」

「俺探してきますよ、隣のクラスの出席とったら」

「ありがとうございます、本当困りますよ」
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