ミルクティーの音色
隣の六組にも入り出席確認をする。
こちらはしっかりと全員出席しており、俺がどうこうする要素はなさそうだった。


出席簿を抱えたまま、校舎中を走り回る。
鍵が開いていないような場所には当然入れないはずだから、となると空き教室?いや、違う。


俺は屋上へと続く階段を上った。
佐々木さんがいるなら、きっとここだろう。


屋上こそ鍵がかかっているだろうと思ったかもしれないが、ここの鍵は数ヶ月前から壊れている。
元々立ち入り禁止の場所でもあり、このことを知っているのはごくわずかだろう。


階段を上りきった勢いのまま扉を開くと、音に反応したのか振り向いた佐々木さんと目が合った。
ほら、やっぱりここにいた。


「何してんの、佐々木さん」


佐々木さんは俺から視線をそらし、手のひらを空に向けた。
何も言わず、青い空に浮かんでいるような自分の手のひらを見つめている。


俺も佐々木さんと同じように、手のひらを空に伸ばしてみた。
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