Re:Lily

「私から見たら完璧超人だったみやびは、そうじゃなかったんだね」

微笑みながらそう言った。

「そんな風に思ってたんだね。」
「だからと言ってはなんだけど…」


那樹の顔が少し赤い。
この少量のお酒で、酔いが回るタイプなのだろうか。

那樹は席を立つと、私の横、ソファの空いていた場所に移動して座った。
どうやら本当に酔っているみたい…。

こんな那樹、見たことない。(だって最後にあったのは中学生の頃だもんね。)


那樹はフラフラしながら、私の方へと体を寄せる。
密着して、肌と肌が触れ合う。

私の肩に那樹の頭が寄りかかる。


「みやびの弱いところ見れた気がして、…嬉しいって思っちゃった……」


那樹の両腕が私を包み込む。


私は右横を見る。

那樹は私をぬいぐるみかのように抱きしめるような姿勢ですやすやと寝てしまっていた。
一応、バイト中だよね……


思わずバーカウンターに目線を向ける。
店長は親指を立てて、大丈夫と合図をした。


私はそのまま肩をかすことにした。



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