Re:Lily
「じゃあ、」
早速本題に入ろうと、真凜は少し大きめのバッグの中にガサガサと手を入れ何かを探す。
「あった、…はい」
向かい合った2人席。
私の目の前にすっと真凜は見覚えのあるものを差し出す。
私は静かにそれを手に取り、封を開ける。
「今年も…良かったね」
私は中身を静かに確認し、そしてゆっぬり封を閉じる。
沈黙の時間が続く。
カフェのBGMと、周囲の話し声だけがこの場を繋ぐ。
「本当に、みやびには感謝してるの」
真凜は真っ直ぐな瞳で私を見る。
この夢や希望に溢れた目を私は知ってる。
それは私もかつては持っていたもので、7年振りに再会したあの子も持っていたもの。
「私たちの代は、みやびが引っ張ってくれたから、最初の1年でこの学年だけで表彰台に上がれたの。」
私と他数人の同級生は先輩たちの選抜クラスに選ばれた。
でも…
「あんなこと言われて、悔しくないの?って、みやびが言ってくれて、そこから…」
私たちはあんな先輩達に絶対負けないと、下剋上を始めた。
結果は選抜クラスを追い抜き、表彰台に上がることが出来た。
散々、この学年を下手だとか罵ってきた先輩達を見返すことが出来た。