Re:Lily
私もその後に続いて店内に入る。

店内に入ると、藤沢ちゃんは誰かに手を振っていた。
そしてその男性も藤沢ちゃんに手を振り返す。

あの男性が藤沢ちゃんの彼氏さんだ。

待っていてくれていたかのようにその男性は私たちの方へ近づいてきた。


「待ってたよ、姫」

「お待たせ、あ、会社の同期のみやちゃんだよ!」


私は藤沢ちゃんのことを"姫"と呼んだその人に軽く会釈をした。


「話は聞いてます。いつも"姫"がお世話になってます。」

「いえ、こちらこそです」


なんとも紳士な見た目。
映画に出てきそうな英国紳士風だ。



「ねぇ、藤沢ちゃん」
「ん?何?」


バーカウンターの端の席に案内してもらって2人で席に着いた。
藤沢ちゃんはノンアルコールのカシスオレンジを、私は彼氏さんおすすめの"本日のカクテル"を貰うことにした。


「なんで姫って言われてるの?」

「あぁ…、それは…」

まぁ年上の彼氏さんだし、お姫様のように大事に扱ってくれているんだろうけど…


「私の名前、プリンセスだから」

「あぁなるほどね」


意外と単純な理由だった。

藤沢ちゃんの兄弟はみんな属に言うキラキラネームらしく、みんな困っているとか何とか…


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