太陽みたいなキミだから
ずるいな。……悔しいけど、やっぱりかっこいい。
「どうしたの? だ、大丈夫だった? あそこまで言わなくてもいいよねぇ?」
周りの先輩が気を遣ってわたしに話しかけてきた。
たしかにあそこまで言わなくてもいいと思うけど、間違ったことは言ってない。
いくら推薦とはいえ、塾との両立が大変とわかりながらも「文化祭実行委員」になると決めたのはわたしだ。本気で取り組もうと思ってる人に失礼だった。
パチンと両頬を叩かれたような、そんな感覚。……目が覚めた。
わたしは、黙って彼女の出て行ったドアを見つめていた。
◇
「――ヒグチさんのことが気になるんだ?」
ほんのり赤みがかった空に薄い雲がたなびく。もう少ししたら、きっと美しい夕焼けが広がるだろう。
その柔らかな日差しに照らされて、エージ先輩の右頬がきらきら輝いて見える。
「気になるっていうか……」
ああ、わたしはなんでまたエージ先輩に相談なんてしちゃってるんだろう。小さくため息を一つこぼして、そっと目を伏せる。
うれしい話、悲しい話、困った話……今までのわたしは友達にも親にも言うことができずに、ただ自分の心の中にしまっておくことしかできなかった。
だからなにが起こっても、誰かに話したいなんて思ったことはなかったんだ。
だけどさっき、実行委員での話し合いが終わってすぐに思ったのは、『エージ先輩に話したい』だった。
そうしてわたしは気づいたらまた、屋上に来ていた。
なんでだろう。この前会ったばかりのよく知らない人なのに。
「どうしたの? だ、大丈夫だった? あそこまで言わなくてもいいよねぇ?」
周りの先輩が気を遣ってわたしに話しかけてきた。
たしかにあそこまで言わなくてもいいと思うけど、間違ったことは言ってない。
いくら推薦とはいえ、塾との両立が大変とわかりながらも「文化祭実行委員」になると決めたのはわたしだ。本気で取り組もうと思ってる人に失礼だった。
パチンと両頬を叩かれたような、そんな感覚。……目が覚めた。
わたしは、黙って彼女の出て行ったドアを見つめていた。
◇
「――ヒグチさんのことが気になるんだ?」
ほんのり赤みがかった空に薄い雲がたなびく。もう少ししたら、きっと美しい夕焼けが広がるだろう。
その柔らかな日差しに照らされて、エージ先輩の右頬がきらきら輝いて見える。
「気になるっていうか……」
ああ、わたしはなんでまたエージ先輩に相談なんてしちゃってるんだろう。小さくため息を一つこぼして、そっと目を伏せる。
うれしい話、悲しい話、困った話……今までのわたしは友達にも親にも言うことができずに、ただ自分の心の中にしまっておくことしかできなかった。
だからなにが起こっても、誰かに話したいなんて思ったことはなかったんだ。
だけどさっき、実行委員での話し合いが終わってすぐに思ったのは、『エージ先輩に話したい』だった。
そうしてわたしは気づいたらまた、屋上に来ていた。
なんでだろう。この前会ったばかりのよく知らない人なのに。