太陽みたいなキミだから

 まぁたあしかに、長袖を着てはいけないっていうルールはない。
 それに、さっきの出来事で汗が出てきたわたしとはちがって、エージ先輩は長袖のくせになぜか涼しい顔をしている。
 そういうもの……なのかな。
 よくわからない答えにモヤモヤするけど、聞き返したところでどうせまたはぐらかされるだけだ。
 わたしはそんなモヤモヤをごくんと飲み込んで、ふいに空を見上げた。さっきより濃くなったオレンジの空は、こわいくらいに綺麗だった。

 なんてことのない、午後の会話。
 だけど――。

 この時覚えた違和感を、私はもっと気にするべきだったのかもしれない。
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