太陽みたいなキミだから
「エージ先輩、なんでわたしに親切にしてくれるんですか?」

 バス停でバスを待つ時間。手持無沙汰になったわたしは、思い切って気になっていたことを聞いてみた。
 
「言ったじゃん。芽衣に一目ぼれしたからだって」

 だけど先輩は、笑ってはぐらかすばかり。本当のことは言ってくれないってわかっていたことだけど……。

「もう……」

 だけどなんでかな、先輩の軽口に対して、前より嫌な気持ちにならない。

 先輩が本当のことを言わなくてもいい。少しでも一緒にいられたら、それで。
 この夢みたいな時間に、ずっとずっと浸っていたい――。
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