太陽みたいなキミだから
7. 希望と絶望
――ゼエ、ハア。
息が上がる。一気に階段を駆け上ったから、太ももが痛い。
右手には数枚の白い紙をぎゅっと握りしめ、ただ頂上を目指す。
黄色と黒のしま模様のテープを越えるその動作すらももどかしくって、気持ちばかり焦る。
早く、早く。
いつもより重く感じるドアを開けて、
「っ……エージ先輩!」
大声で呼びかけた。
だけどそこには誰もいない。
今日はいないのかな。そう思ったら――。
「こっち、こっち」
上から声が降ってきた。見上げたら、階段室の梯子をのぼったところから、エージ先輩がわたしを手招きしている。
なんだ、今日はそっちにいたんだ。なぜか一瞬、もう会えないのかと思ったから、顔を見ることができてホッとする。
「大きな声でどうした――」
大急ぎで梯子をのぼり、先輩の目の前に手に持っていた紙を突き付けた。
「テスト……!」
目をぱちくりさせながら、突き出した紙を受け取るエージ先輩。一枚、また一枚とめくっていく。
わたしは呼吸を整えながらその様子をじっと見守った。
今日返ってきた期末テスト、それに塾であったテストも含めて、全部で七枚の紙。
そのどれもが今までとってきた点数より高かった。
もちろん塾の成果でもあるけど、ほとんどが、わかりやすく教えてくれたエージ先輩のおかげ。
だから真っ先にエージ先輩に結果を見せたかったんだ。
先輩ならきっと、誰よりも喜んでくれるはず。
「すごいじゃん、芽衣!」
案の定、顔を上げたエージ先輩は満面の笑みを浮かべていた。
「エージ先輩のおかげです」
「芽衣ががんばったからだよ。えらいね」
――えらいね。
そんなこと言われたことがなかったから、少しくすぐったい。
息が上がる。一気に階段を駆け上ったから、太ももが痛い。
右手には数枚の白い紙をぎゅっと握りしめ、ただ頂上を目指す。
黄色と黒のしま模様のテープを越えるその動作すらももどかしくって、気持ちばかり焦る。
早く、早く。
いつもより重く感じるドアを開けて、
「っ……エージ先輩!」
大声で呼びかけた。
だけどそこには誰もいない。
今日はいないのかな。そう思ったら――。
「こっち、こっち」
上から声が降ってきた。見上げたら、階段室の梯子をのぼったところから、エージ先輩がわたしを手招きしている。
なんだ、今日はそっちにいたんだ。なぜか一瞬、もう会えないのかと思ったから、顔を見ることができてホッとする。
「大きな声でどうした――」
大急ぎで梯子をのぼり、先輩の目の前に手に持っていた紙を突き付けた。
「テスト……!」
目をぱちくりさせながら、突き出した紙を受け取るエージ先輩。一枚、また一枚とめくっていく。
わたしは呼吸を整えながらその様子をじっと見守った。
今日返ってきた期末テスト、それに塾であったテストも含めて、全部で七枚の紙。
そのどれもが今までとってきた点数より高かった。
もちろん塾の成果でもあるけど、ほとんどが、わかりやすく教えてくれたエージ先輩のおかげ。
だから真っ先にエージ先輩に結果を見せたかったんだ。
先輩ならきっと、誰よりも喜んでくれるはず。
「すごいじゃん、芽衣!」
案の定、顔を上げたエージ先輩は満面の笑みを浮かべていた。
「エージ先輩のおかげです」
「芽衣ががんばったからだよ。えらいね」
――えらいね。
そんなこと言われたことがなかったから、少しくすぐったい。