太陽みたいなキミだから
「もしかして……体調がよくないんですか? なんだかちょっと……――」
いつもとちがうような。
「オレ……」
エージ先輩がなにか言おうとした、そのとき。
――ピンポンパンポン。文化祭実行委員は集まってください。繰り返します。文化祭実行委員は――。
大音量で響く放送にハッとした。
「いけない、行かなくちゃ! 樋口さんに怒られちゃう」
楽しい時間はあっという間で、委員の集合時間が迫っていたことに気づかなかった。
もうちょっと話していたいけど……。
名残惜しい気持ちで先輩を見ると、先輩の茶色い瞳の奥が悲しげに揺れていた。
先輩、なにか言いたいことがあるんですよね?
言いかけた言葉の続きが知りたいけど、
「……じゃあ、またあとで」
そんな風に手を振られたら、もう行くしかなくなってしまう。
わたしは名残惜しい気持ちで屋上をあとにした。
◇
「……遅いっ」
教室のドアを開けると、樋口さんが仁王立ちでわたしを出迎えた。
眉を逆八の字にして明らかに怒っている。
「ごめん! ……あれ? ほかの人たちは?」
ひょい、と樋口さんの肩越しに中を覗くが、樋口さんのほかに文化祭実行委員の人たちはいない。
「杉咲さんが遅いからみんな先に行ったの」
「えっ、もしかして樋口さん、わたしを待っててくれたの⁉」
うれしくて近づいたら、樋口さんはふいっと顔を背けてしまった。
「そういうわけじゃなくて。わたしと杉咲さん、ペアで動くことになっているから、仕方なく」
口ではそう言っているけど、ほんのり耳が赤くなっている。
可愛いところがあるんだよなぁ。
いつもとちがうような。
「オレ……」
エージ先輩がなにか言おうとした、そのとき。
――ピンポンパンポン。文化祭実行委員は集まってください。繰り返します。文化祭実行委員は――。
大音量で響く放送にハッとした。
「いけない、行かなくちゃ! 樋口さんに怒られちゃう」
楽しい時間はあっという間で、委員の集合時間が迫っていたことに気づかなかった。
もうちょっと話していたいけど……。
名残惜しい気持ちで先輩を見ると、先輩の茶色い瞳の奥が悲しげに揺れていた。
先輩、なにか言いたいことがあるんですよね?
言いかけた言葉の続きが知りたいけど、
「……じゃあ、またあとで」
そんな風に手を振られたら、もう行くしかなくなってしまう。
わたしは名残惜しい気持ちで屋上をあとにした。
◇
「……遅いっ」
教室のドアを開けると、樋口さんが仁王立ちでわたしを出迎えた。
眉を逆八の字にして明らかに怒っている。
「ごめん! ……あれ? ほかの人たちは?」
ひょい、と樋口さんの肩越しに中を覗くが、樋口さんのほかに文化祭実行委員の人たちはいない。
「杉咲さんが遅いからみんな先に行ったの」
「えっ、もしかして樋口さん、わたしを待っててくれたの⁉」
うれしくて近づいたら、樋口さんはふいっと顔を背けてしまった。
「そういうわけじゃなくて。わたしと杉咲さん、ペアで動くことになっているから、仕方なく」
口ではそう言っているけど、ほんのり耳が赤くなっている。
可愛いところがあるんだよなぁ。