俺と彼女の猫な話【短編】
「どうしたん?」
「うん。ひいたゃった」
「えっ!?だれを?」
「猫」
ほっ。びっくりした。
どうやら仕事が終わって夜ご飯の買い出しに行って、その帰りにクルマで猫をひいたらしい。
「大丈夫だよ。猫よりも、直美が猫を避けようとして事故らなかったからよかったよ」
「うん。急に飛び出してきて、ブレーキ間に合わなかった。『ドン!』って少し衝撃があったからすぐにクルマ止めて探したんだけど猫いなかった」
「えっ!探したの?もし、見つけたらどうするつもりだった?」
「生きていたら病院に連れていって、死んでたら埋めてあげてお墓作るつもりだったけど、結局、見つからなかった」
病院!お墓!正直いうと見つからなくてよかったよ。