白衣の天使は、悪魔の小児外科医から子どもごと溺愛される
愛しの我が天使(和典)
(張り切りすぎて、無理をさせすぎてしまった)
仕事中に彼女を攫って事に運んだのは、失敗だった。
――そう反省したのは一瞬だ。
(俺の天使……)
和典の隣で目を閉じ眠る穂波は、天使のように美しい。
白雪のような肌に、優しい瞳。
茶髪に染めた髪は華やかで明るい印象を与える。
和典は茶髪よりも黒髪の方が好みなのだが、大人しく気弱そうに見えるのが気がかりだ。
心ない医療関係者から加害されて穂波が傷つくのであれば、容姿については目を瞑るしかない。
彼女の美しさは容姿ではなく、その内面にあるのだから。
(研修医の佐野……。アレは俺の天使を、抱く価値もない女と称した……)
和典は、穂波と肌を重ね合わせるきっかけを作った男のことを考える。
――研修医の佐野。
彼は自ら身体を差し出した白衣の天使に、一切興味を示さなかった。
(穂波の色香にやられて使い物にならなくなる奴らよりは、利用価値がある……)
気に食わないことには変わりないが、松ヶ丘総合病院は万年人手不足に喘いでいる。
愛する天使を妻として迎え入れるには、病院の改革が急務となる。
猫の手も借りたい状況で、プライベートな好き嫌いなど主張している場合ではない。
(穂波の為なら喜んで、悪魔と呼ばれるに相応しい男となろう)
そのためには、やらなければならないことが山ほどある。
和典はベッドサイドに置かれた白衣からスマホを取り出すと、ある人物へ電話をかけた。
仕事中に彼女を攫って事に運んだのは、失敗だった。
――そう反省したのは一瞬だ。
(俺の天使……)
和典の隣で目を閉じ眠る穂波は、天使のように美しい。
白雪のような肌に、優しい瞳。
茶髪に染めた髪は華やかで明るい印象を与える。
和典は茶髪よりも黒髪の方が好みなのだが、大人しく気弱そうに見えるのが気がかりだ。
心ない医療関係者から加害されて穂波が傷つくのであれば、容姿については目を瞑るしかない。
彼女の美しさは容姿ではなく、その内面にあるのだから。
(研修医の佐野……。アレは俺の天使を、抱く価値もない女と称した……)
和典は、穂波と肌を重ね合わせるきっかけを作った男のことを考える。
――研修医の佐野。
彼は自ら身体を差し出した白衣の天使に、一切興味を示さなかった。
(穂波の色香にやられて使い物にならなくなる奴らよりは、利用価値がある……)
気に食わないことには変わりないが、松ヶ丘総合病院は万年人手不足に喘いでいる。
愛する天使を妻として迎え入れるには、病院の改革が急務となる。
猫の手も借りたい状況で、プライベートな好き嫌いなど主張している場合ではない。
(穂波の為なら喜んで、悪魔と呼ばれるに相応しい男となろう)
そのためには、やらなければならないことが山ほどある。
和典はベッドサイドに置かれた白衣からスマホを取り出すと、ある人物へ電話をかけた。