不器用な総長は元アイドルの姫を一途に愛したい
これには近寄っていた男子たちも面白く無かったようで、
「そうかよ」
「何かガッカリだな。テレビで観るのと全然違うし」
「アイドルの時はぶりっ子かよ」
「つまんねぇの」
文句を垂れながら恵那の元から去って行き、それを見ていた他のクラスメイトたちは、
「えー、何か性格悪い」
「ネットに書き込んじゃおうかな」
「いや、休養中だし、グループも解散間近でもう落ち目だし、必要無くない?」
「それもそうだな」
聞こえるように悪意のある言葉を並べたてて噂をしていた。
(何よ、何も知らないくせに……)
周りの噂話には、うんざりしていた恵那。
けれどこんなの、今に始まった事では無い。
転校前に居た学校でも、アイドル活動をしていても、グループ内でも、常に付きまとっていた事。
可愛いと持て囃し、勝手に理想像を作り上げては、それが少しでも崩れると悪意のある言葉を投げつけてくる。
同じくアイドルをやっている人たちからは、調子に乗っていると罵られ、挙げ句の果てには裏で枕営業をしているだの、酷い噂を散々立て続けられていた。
(……えなりん、なんて呼んで勝手にチヤホヤしてたのは、アンタらみたいなヤツらのせいじゃん……)
アイドルとしての【海老原 恵那】は、愛嬌があって笑顔が可愛い天使のような女の子。
けれど、それは全てファンたちの理想が作り上げた偽物の恵那。
実際の【海老原 恵那】は、毒舌で冷めていて理由も無く笑顔を振りまいたりはしない。
(ホント、馬鹿みたい)
結局どこへ行っても『芸能人』、『アイドル』としての自分が付き纏ってくると再確認した恵那は、周りのくだらない声をシャットダウンする為に、イヤホンを取り出して音楽を聴き始めていた。
「そうかよ」
「何かガッカリだな。テレビで観るのと全然違うし」
「アイドルの時はぶりっ子かよ」
「つまんねぇの」
文句を垂れながら恵那の元から去って行き、それを見ていた他のクラスメイトたちは、
「えー、何か性格悪い」
「ネットに書き込んじゃおうかな」
「いや、休養中だし、グループも解散間近でもう落ち目だし、必要無くない?」
「それもそうだな」
聞こえるように悪意のある言葉を並べたてて噂をしていた。
(何よ、何も知らないくせに……)
周りの噂話には、うんざりしていた恵那。
けれどこんなの、今に始まった事では無い。
転校前に居た学校でも、アイドル活動をしていても、グループ内でも、常に付きまとっていた事。
可愛いと持て囃し、勝手に理想像を作り上げては、それが少しでも崩れると悪意のある言葉を投げつけてくる。
同じくアイドルをやっている人たちからは、調子に乗っていると罵られ、挙げ句の果てには裏で枕営業をしているだの、酷い噂を散々立て続けられていた。
(……えなりん、なんて呼んで勝手にチヤホヤしてたのは、アンタらみたいなヤツらのせいじゃん……)
アイドルとしての【海老原 恵那】は、愛嬌があって笑顔が可愛い天使のような女の子。
けれど、それは全てファンたちの理想が作り上げた偽物の恵那。
実際の【海老原 恵那】は、毒舌で冷めていて理由も無く笑顔を振りまいたりはしない。
(ホント、馬鹿みたい)
結局どこへ行っても『芸能人』、『アイドル』としての自分が付き纏ってくると再確認した恵那は、周りのくだらない声をシャットダウンする為に、イヤホンを取り出して音楽を聴き始めていた。