不器用な総長は元アイドルの姫を一途に愛したい
3
あれから暫く、恵那は悩んだ。とにかく悩んだ。
速水から受け取ったファンレターにも、一通一通目を通して、休養している間にも自分の事を心配し復帰を待ち望んでいる人が沢山いる事を改めて知り、それが更に恵那を迷わせた。
だけど、恵那の心の中にはやっぱり斗和が居て、この答えを出すには斗和に今の自分の気持ちを伝える事と、彼の気持ちを確かめる事が必要不可欠だと感じていた。
「斗和」
「ん?」
悩み始めてから二週間が過ぎた、ある日の放課後。恵那の希望で河川敷へとやって来た二人は何をする訳でもなくそこに並んで座り、近くで野球をする中学生たちの声を聞きながら空を眺めていた。
斗和と距離が縮まる事になったこの場所で、恵那は今の自分の想いを告げようと決心し、ようやく口を開いたのだ。
「……私たちが出逢って、結構経つよね」
「まあ、そーだな」
「この町に来てから、色々あった。大変な事もあったけど、毎日がすごく充実してた」
「…………」
「ここに来る前は、もう絶対、芸能界に戻る事は無いって思ってたし、こんな風に悩む事になるなんて、思いもしなかった……でも、今は……まだ、凄く悩んでる……」
そこまで口にした恵那は一旦言葉を切ると、寝転んでしまった斗和に視線を移す。
「……斗和は、もし私がこの町から居なくなったら……どう思う? 少しは、淋しいって、思ってくれる?」
そして、この前から聞きたかった質問を斗和に投げ掛けた。
速水から受け取ったファンレターにも、一通一通目を通して、休養している間にも自分の事を心配し復帰を待ち望んでいる人が沢山いる事を改めて知り、それが更に恵那を迷わせた。
だけど、恵那の心の中にはやっぱり斗和が居て、この答えを出すには斗和に今の自分の気持ちを伝える事と、彼の気持ちを確かめる事が必要不可欠だと感じていた。
「斗和」
「ん?」
悩み始めてから二週間が過ぎた、ある日の放課後。恵那の希望で河川敷へとやって来た二人は何をする訳でもなくそこに並んで座り、近くで野球をする中学生たちの声を聞きながら空を眺めていた。
斗和と距離が縮まる事になったこの場所で、恵那は今の自分の想いを告げようと決心し、ようやく口を開いたのだ。
「……私たちが出逢って、結構経つよね」
「まあ、そーだな」
「この町に来てから、色々あった。大変な事もあったけど、毎日がすごく充実してた」
「…………」
「ここに来る前は、もう絶対、芸能界に戻る事は無いって思ってたし、こんな風に悩む事になるなんて、思いもしなかった……でも、今は……まだ、凄く悩んでる……」
そこまで口にした恵那は一旦言葉を切ると、寝転んでしまった斗和に視線を移す。
「……斗和は、もし私がこの町から居なくなったら……どう思う? 少しは、淋しいって、思ってくれる?」
そして、この前から聞きたかった質問を斗和に投げ掛けた。