不器用な総長は元アイドルの姫を一途に愛したい
アイドルに戻る事への不安や折角慣れた暮らしを変える事への躊躇いがあるのは話からも分かるものの、忍には恵那はもっと他の事で悩んでいる気がして、「……あの、違ってたらすみません。もしかして恵那さんは、斗和さんと離れるのが嫌で悩んでたりするんでしょうか?」と問い掛けた。
「……うん、実を言えば、それが一番の原因なんだ」
「やっぱり」
「私はね、もしアイドルに戻ってこの町を出て行っても、時々帰ってきて斗和に会いたいって思ってるんだけど、斗和はね、私がアイドルに戻ったら、もう会う事は無いって言うの……自分みたいな不良と繋がりがあったら印象が悪いだろうからって……」
「あー、確かに、斗和さんの言いたい事は分かります。っていうか斗和さんは自分よりも他人を優先する優しい人ですからね」
「…………でも私は、そんな事は望んでない。私が誰と交流を持とうが、それは私の自由でしょ? 周りがとやかく言おうが関係無いのに、他でもない斗和に、そんな風に言われたくないのに……」
先程斗和に言われた事を思い出したらしい恵那の視界は徐々に歪み、瞳には涙が滲んでいく。
「……うん、実を言えば、それが一番の原因なんだ」
「やっぱり」
「私はね、もしアイドルに戻ってこの町を出て行っても、時々帰ってきて斗和に会いたいって思ってるんだけど、斗和はね、私がアイドルに戻ったら、もう会う事は無いって言うの……自分みたいな不良と繋がりがあったら印象が悪いだろうからって……」
「あー、確かに、斗和さんの言いたい事は分かります。っていうか斗和さんは自分よりも他人を優先する優しい人ですからね」
「…………でも私は、そんな事は望んでない。私が誰と交流を持とうが、それは私の自由でしょ? 周りがとやかく言おうが関係無いのに、他でもない斗和に、そんな風に言われたくないのに……」
先程斗和に言われた事を思い出したらしい恵那の視界は徐々に歪み、瞳には涙が滲んでいく。