不器用な総長は元アイドルの姫を一途に愛したい
放課後、帰り支度をしている恵那の元に他のクラスの男子生徒たちが数人やって来る。
「ねぇ恵那ちゃん、これから遊びに行こうよ」
「カラオケとかどお? 生歌披露して欲しいなぁ」
「良いでしょ? 奢るしさぁ」
クラスメイトの女子たちはそんなやり取りを気にする事も無く、さっさと教室を出て行ってしまう。
残ったのは男子生徒で、他のクラスの男子生徒たちに加わる形で恵那を遊びに誘おうとする。
「俺らも行きたいな」
「せっかくだし、みんなで行こうぜ。な、恵那ちゃん」
けれど、当の本人はというと、
「……私、行くつもり無いから。帰りたいの。そこ、退いてくれる?」
特に気にする様子も無く帰り支度を終えると、男子生徒たちに「行く気は無い」とハッキリ告げた。
しかし男子生徒たちはそれに応じる事は無く、
「え~? つれないなぁ、あ、もしかして恵那ちゃん、緊張してる? それとも、警戒してる? 大丈夫、本当にカラオケ行くだけだからさぁ」
「そうそう、だから行こうよ」
恵那がウンザリする程しつこく誘っていく。
「いい加減に――」
流石に苛立った恵那が声を上げようとすると、
「お前ら何やってんだ? いくらアイドルだからって、海老原にちょっかい出してんじゃねぇぞ?」
偶然通りがかった担任が様子を見兼ねて声を掛けたその隙に、
「あ、恵那ちゃん、待ってよ!」
「さよなら」
恵那は逃げるように教室を出て行った。
「……はぁ……」
溜め息を吐きながら下駄箱の前までやって来た恵那が靴を履き替えていると、帰ったはずの同じクラスの女子生徒が数人現れて、
「アイドルだからって色目使ってんじゃねぇよ」
「性格ブス」
「学校来んな」
なんて暴言を吐きながら靴を履き替え、笑いながら去って行く。
(誰が色目なんて使ったのよ……)
慣れているとは言え、転校初日から悪意を向けられ続ける恵那は早々に参っていた。
「ねぇ恵那ちゃん、これから遊びに行こうよ」
「カラオケとかどお? 生歌披露して欲しいなぁ」
「良いでしょ? 奢るしさぁ」
クラスメイトの女子たちはそんなやり取りを気にする事も無く、さっさと教室を出て行ってしまう。
残ったのは男子生徒で、他のクラスの男子生徒たちに加わる形で恵那を遊びに誘おうとする。
「俺らも行きたいな」
「せっかくだし、みんなで行こうぜ。な、恵那ちゃん」
けれど、当の本人はというと、
「……私、行くつもり無いから。帰りたいの。そこ、退いてくれる?」
特に気にする様子も無く帰り支度を終えると、男子生徒たちに「行く気は無い」とハッキリ告げた。
しかし男子生徒たちはそれに応じる事は無く、
「え~? つれないなぁ、あ、もしかして恵那ちゃん、緊張してる? それとも、警戒してる? 大丈夫、本当にカラオケ行くだけだからさぁ」
「そうそう、だから行こうよ」
恵那がウンザリする程しつこく誘っていく。
「いい加減に――」
流石に苛立った恵那が声を上げようとすると、
「お前ら何やってんだ? いくらアイドルだからって、海老原にちょっかい出してんじゃねぇぞ?」
偶然通りがかった担任が様子を見兼ねて声を掛けたその隙に、
「あ、恵那ちゃん、待ってよ!」
「さよなら」
恵那は逃げるように教室を出て行った。
「……はぁ……」
溜め息を吐きながら下駄箱の前までやって来た恵那が靴を履き替えていると、帰ったはずの同じクラスの女子生徒が数人現れて、
「アイドルだからって色目使ってんじゃねぇよ」
「性格ブス」
「学校来んな」
なんて暴言を吐きながら靴を履き替え、笑いながら去って行く。
(誰が色目なんて使ったのよ……)
慣れているとは言え、転校初日から悪意を向けられ続ける恵那は早々に参っていた。