残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。
みんな半泣き状態で手出してるし、西嶋は感情を失った瞳で組員達に近付いてるし!!

ていうか、マジでへし折ろうとすんのやめてくんない!?


「ちょちょちょっ!!!!なにしてんの!?」


私は慌てて西嶋を羽交い締めにした。

大男を羽交い締めしなきゃいけない私の身にもなれっつーの!!


・・・・まあ、こんな羽交い締め、西嶋からしたら無意味すぎるだろうけど……ちゃんと止まってくれた。


「藍里さんを危険から守るのが僕の役目ですので、ご安心ください」


何一つ安心できないし、お前が一番“危険”だよ。


「ハハー」


私は西嶋を羽交い締めにしたまま、みんなに謝り倒して正門へ向かった。


「藍里さんにこんなにも力強く抱擁されるなんて……昇天しそうです」

「……は?馬鹿じゃないの?」


バッと西嶋から離れて、正門に停まっている車へ乗り込んだ。


「んもぉ、僕がドアを開けるって言ってるじゃないですかーー」


なんて言いながらムスッとして運転席に座る西嶋。


「ドアくらい自分で開け閉めする」

「僕がやりたいんですーー」

「知らないですーー」

「はぁぁ。可愛い」


・・・・いや、なにが?どこが?

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