残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。
「どうやら私と西嶋の価値観は一生合わないらしい」

「価値観が合う合わないなんて、どうでもいいです。“価値観”なんて、僕達の関係性に何ら影響ありませんので」


・・・・ルームミラーに映っている西嶋が、すんごいドヤ顔をしている。

何をどうすればそんなドヤ顔ができるのよ。

ていうか、“価値観”って重要でしょ。


「あーーうん。ソダネー」

「めちゃくちゃ適当に返事してません?」

「ハハー」


他人なんだから価値観が合わないとか当然だし、無理に合わせるのは違うと思う。

元々価値観が合う人達だったらいいけど、そもそも価値観のズレとか価値観の違いって、どう埋めてけばいいのかな。


「僕は藍里さん色に染まりたいですし、染めて欲しいです」


──── 急に何を言い出すんだ、コイツは。


「僕は価値観なんてどうでもいいですし、そもそも他人なんだから合わないのが当たり前だと思っています。でも、藍里さんが気になると言うのなら……僕は何色にも染まりますよ、藍里さんの為に」

「──── ごめん。マジで意味分かんないわ」

「ハハッ。こりゃ手強いなぁ」


いや、本当に何が言いたいのかさっぱり分かんないし、相変わらず意味不明な男としか思えない。

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