残念すぎるイケメンが、今日も今日とて私を溺愛する。
「そ、そりゃ私も一応“女”だし?男には見られたくない……的な気持ちもあるでしょ。多分……」

「下着ですか」


──── 真顔でなんつーこと聞いてくんのよ。


「ち、違う」

「重さからして下着っぽいんですよね。藍里さんにふさわしい下着か……僕がチェックします」


──── ハイ?……って、ちょっ!?


包装を開けようとする西嶋に、押し倒す勢いで飛び付いた私。


「おっと」


私を抱きしめながら後ろへ倒れた西嶋。

で、必然的にその上に乗っかっている私。

地獄絵図の完成。


「ご……ごめん」


離れようとしても、ギュッと抱きしめられてて動けない。


──── 心臓の音がうるさい。


西嶋に聞こえてないかな……?聞こえてたらめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。


「に……西嶋。離して」

「時よ止まれ」

「……は?」

「時よ、止まれ」


呪文のように『時よ止まれ』とブツブツ言い始めた西嶋に、胸の高鳴りがスーッと消えていく。


「なに言ってんの、アンタ」

「この時間が永久に続けばいいのに……と」

「馬鹿なこと言ってないで離しなさいよ」

「嫌です。こんなにも可愛い藍里さんを離すことなんて……僕にはできない」

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