暗闇の星屑、夜明けの太陽 〜番外編〜
卒業 ハル
ピンポーン…ピンポーン…



忙しいってのに…

1回鳴らせば聞こえる



ピンポーン…

ピンポーン…

ピンポーン…



「はーい…」



引っ越しの荷解きの最中

まったく誰だ?



ガチャ…



「ハルちゃん!」



「月島(つきしま)!」



「ヤホー
おじゃましまーす」



「なんで、ここわかった?」



「この前、位置情報アプリ入れたでしょ」



そう言って引っ越したばかりのアパートに
入ってきたのはオレのクラスの生徒で…



「位置情報アプリ?
そんなの勝手に…
え、どれ?
どーやって…」



スマホを開いたらいつの間にか
知らないアプリが入ってた



「3階まで上ってくるの大変だった
外にあるダンボール邪魔だよ
でもダンボールあったから
この部屋だってわかった」



「まだぜんぜん片付いてないし…
来ていいなんて、誰も…」



「お腹すいちゃった
ハルちゃん、お昼食べたの?」



担任であるオレをハルちゃんて呼ぶ



「もぉそんな時間か…
ホントだ12時過ぎてる」



「なんか食べたいな」



「差し入れとかないの?」



「うん、ない」



そう言って笑うこの子を
オレは好きになった



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