暗闇の星屑、夜明けの太陽 〜番外編〜
「なんか疲れちゃったな…」



エミが居酒屋でビールを飲みながら
不味そうに言った



「ビールじゃなくてワインとかがよかった?」



「んー…そーだね…
なんかビールじゃないね…
でもワインでもない…」



「やっぱりホストクラブの方がよかった?」



「んー…そーだね…
でもホストクラブはもぉいいかな…
なんか違うんだよね
お酒でもホストクラブでもない
なんだろう?」



「今日、会わない方がよかったかな?」



「んー…」



「もしかして、オレじゃない方がいい?」



「んー…」



「オレじゃなくて、ハルがよかった?」



やっぱりエミには
オレじゃなくて、ハルなのかな?

やっぱり…じゃなくて
最初からそんな感じはしてた



「んー…
ハルはイズミちゃんに夢中だから…」



「ハルたち、うまくいってんだ…」



「うまくって何をもってうまくなのかな…
難しいよね…」



「難しいって、年の差とかのこと?」



「ハルは気にしてるみたいだけどね
もぉ教師と生徒じゃないんだから
別にいいのにね
お母さんの許可ももらってるわけだし…」



「許可って?」



「付き合う許可」



「なにそれ…
相変わらず真面目だね」



「うん、真面目だよね…ハルって…」



エミはまだ
ハルがいいの?



さっきの質問、スルーしたよね?

オレじゃなくて、ハルがよかった?



「オレはまだまだダメかな?
もっと頑張らないとエミに認めてもらえない?
結構、真面目にやってるつもりなんだけど…」



「うん、セイ頑張ってるよね
前の生活と真逆な生活してるもんね…」



エミ、ちゃんと見てくれてるんだ



でも…
オレじゃないんだろ

ハルがいんだろ



やっぱオレは無理なのかな?



「エミ、2杯目何飲む?
なんか、つまんなそうだね…」



「んー…このお店、なんか違うかも…」



「店?変える?」



オレじゃないの?

つまんない原因



「ねぇ、今日なんで待ち合わせしたの?」



「デートみたいでいいかな…って…」



「デートか…
ぜんぜんデートぽくないよね」



「そーだね…」



やっぱりオレとエミって幼馴染なんだよな



「デートだったら…
セイとふたりになりたい」



「え?ふたり?」



「家だと絶対ダレかいるし…」



「いるね…」



「明日休みだし
どこか泊まってく?」



「え!?」



「セイが嫌なら帰るけど…」



「嫌じゃない!嫌じゃない!
どこにする?」



「夜景とか見えるといいな…」



「夜景…ね…
あ、お母さんの許可いらない?」



「子供ができたら
ちゃんと責任とってくれればいいよ」



「なにそれ?
新手の逆プロポーズ?」



「ごめん
私、酔ってるかも…」



「え、ビール1杯で?」



「ごめん
素直に言えなくて…」



エミの頬が赤く染まったのは
ビールのせい?



今日もエミは可愛い



< 24 / 56 >

この作品をシェア

pagetop