暗闇の星屑、夜明けの太陽 〜番外編〜
温室から外に出た



お花のピアスはハルちゃんが持ってる



私に買ったとも言ってないから
「ありがとう」も変だよね



「月島、寒くない?」



「うん、大丈夫
結構、風強いね」



風に靡く髪をおさえながら歩いた

前髪変じゃないかな?



ハルちゃん風上に立ってくれてる?



あ、いいな…

手繋いでる



手を繋いでる人達を見て羨ましく思う

私も手繋ぎたいな



ハルちゃんの手は
さっき買ったピアスの紙袋を持ってた



「月島、今日ピアスしてないんだね」



「学校の時は
ピアスするな!って
何度も怒られたのにね」



「もぉ先生じゃないから…
ハイ…コレ着けてみてよ」



「え、いいの?
別に私、ハルちゃんに買ってほしくて
見てたんじゃないからね!」



「うん、オレが欲しくて買ったんだ
月島、似合ってたから…」



「じゃあ、ハルちゃん着けて」



「じゃあ、あそこベンチあるから座って」



木陰のベンチに座った



ハルちゃんが紙袋からピアスを出して
私の髪を耳に掛けた



ドキン…



耳赤くないかな?

汗かいてないかな?



「ホントにもらってもいいの?」



恥ずかしくて何か話さなきゃって思った



「うん
もうすぐ誕生日だろ」



「知ってたんだ」



「一応、担任だったからね」



ハルちゃんの手がくすぐったい



「クラスみんなの誕生日知ってるの?」



「いや
誕生日にフラれたって誰か言ってたから
いつだったのかな…って…」



「ハルちゃん、そんなこと覚えてるの?
忘れてよ」



「今年はフラれないといいね」



「え!?縁起でもない」



ハルちゃん笑った?

ハルちゃんの息が耳にかかって
くすぐったい



「もう片方着けるからこっち向いて…」



ハルちゃんと目が合う



ドキン…



絶対、顔赤い

恥ずかしい



「着けたよ
痛くない?」



「うん、大丈夫…似合うかな?」



ハルちゃんと向き合う



ハルちゃんが私を見てる



恥ずかしい



「鏡とかないの?
見てみなよ」



「んーん…
ハルちゃんが似合うって思ってくれたら
それでいい」



「似合うよ」



「ホントに思ってる?」



「うん、かわいい」



ドキン…



ハルちゃんがベンチから立った



「ハルちゃん
買ってくれて、ありがと」



「うん
やっぱり買ってよかった
月島の喜ぶ顔見たかったから…」



なにそれ…



ドキン…



もぉ私、心臓止まるわ



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