暗闇の星屑、夜明けの太陽 〜番外編〜
風でピアスが揺れる



さっきちょっといい雰囲気だったのに…



「この花は…………」



ハルちゃんは変わらず
花の話をしてる



手も繋いでくれてないし…

また変な距離できてる



私たち絶対
付き合ってるふうには見えてない



名前をつけるなら
『自然を楽しむ会の人たち』



「あの鳥は…………」



ハルちゃんの影を踏みながら歩く



花も鳥も
ハルちゃんの話は嫌いじゃない



でも
デートみたいじゃない



「月島、疲れた?」



月島…

その呼び方もヤダ



「先生!トイレ行ってきていいですか?」



「え…先生だって」(小声)

「どーゆー関係?」(小声)

「修学旅行じゃない?」



ほらハルちゃん
修学旅行に見えてるよ



「トイレこの先にあるよ」



ホントは別にトイレなんか行きたくない



エミちゃんが言ってた

私が積極的になってもいいって

今がその時?



「先生!手繋ぎたい!」



「え…修学旅行で?」(小声)

「付き合ってるの?」(小声)

「どこの学校?」(小声)



付き合ってるよ!

付き合ってるよね…?

自信なくなる



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