暗闇の星屑、夜明けの太陽 〜番外編〜
「ハルちゃん、ごちそうさまでした
おいしかった」



「うん、今日はありがとう
ホント助かった」



夕飯は結局ピザを食べた

店はオレが決めたけど



月島が食べたい物を
食べさせてあげたかった

また変な時間に腹が空きそうだけど
明日胃にもたれそうな気もする年齢



で…月島の家に着いたわけで…



「ハルちゃんのこと
お母さんに言ってあるから安心してね」



「え…なんて?」



「彼氏できた!って」



「彼氏!?」



「じゃないの?」



「や…
これからその許可をもらうわけで…」



「だから、許可っておかしいって
挨拶なんて逆にびっくりされちゃうよ」



「立場的にやっぱり…」



「じゃあ、今度、私もハルちゃんち挨拶行くの?」



「月島は別に…」



「なんで?
キラに会わせたくないから?」



「や…」



キラはセイのことで
ホスト名がkira☆だった

月島は弟を
ホストだとは知らずに好きになったらしい



「私はもぉ気にしてないから大丈夫」



月島は弟にハマって
ホスト通いをしてた

その為に
してはいけないバイトをしてた時があった

警察に迎えに行ったのは
その時だった



バイトを紹介したのは弟で
オレは責任を感じた

オレが月島を好きになったのは
その責任感でか?

たまに思うけど
それは違う気がする



もし月島が弟に再会して
それでまた好きになったら…

そう考えると
ムシャクシャするから

これは責任感とかではない



オレは本当に月島を…



「ねぇ、ハルちゃん
さっきも聞いたけど
お母さんに反対されたらどーするの?」



「反対されたら…その時は…」



「だから別に挨拶なんかしなくても…」



「許してもらえるまで
何度も来るよ」



オレは本当に月島が好きだ



「ハルちゃんて
本当に私のこと好きなんだね」



心の声、聞こえてる?



「当たり前だ」



月島は、本当にオレのこと好きじゃなかった?



「ハルちゃん、好きだよ」



また聞こえた?



「オレも、好きだよ」



声に出してみたら気持ちが高揚した



助手席の月島は軽く目を閉じた

コレはキスを期待されてる



可愛い



でも…
まだキスはできない



エミには悪いけど
エミにはなかった気持ちを確信した



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