彼女が服を着替えたら
『甲斐田さんってこの仕事長いんですか?』


食堂で日替わりのランチを食べていた私は、
目の前に座ってきた大倉さんに驚いて、
口に入れたものを飲み込みむせそうになるのを
必死で堪えた。


ビックリした‥‥‥
この子、結局午前中ずっと東井さんに
くっついてて来なかったのに一緒の席に
来たことに驚く。


東井さんだって、リフトや他の仕事だって
こなさないといけないから忙しいんだよ?


きっと優しいから断らないだろうし、
そんな優しい東井さんのことが好きだけどね。


「8年目です。」

『へぇ‥‥ここ楽しいですか?』

えっ?



大倉さん‥って
なんて言ってもらいたんだろう‥‥
思ったより強め?



私は人見知りというか、
慣れてない人と話すの苦手だから
初日から気持ち的にこういう態度だと
今後苦しいな‥


さっきまで食べてた食事が
なんとなく喉を通らなくなり箸を置いた。


「楽しい‥というか入社したから
 頑張って働いてます。」


『えっ?そんなんで8年もですか?
 真面目ですね‥‥』
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