彼女が服を着替えたら
力強い腕の力で引き寄せられると、
今一番会いたかった人の匂いに包まれて、
堪えていた涙が一気に押し寄せる


「‥‥ハル‥‥ハル!!」


抑えたくても震えが止まらない手で
ハルにしがみつくと、大好きな
掌が優しく抱き締めてくれ一気に涙が頬を伝う




『はぁ‥‥はぁ‥電話繋がったまま‥‥
 はぁ‥‥焦った。』



ハル‥‥ハル‥‥


怖かった‥‥とか、会いたかったとか
言いたいことがたくさんあるのに、
心の中でハルの名前を呼ぶことしか出来ない


『は?‥‥あんた何?
 あーこの間BARで一緒にいた人?
 奈央に話あるんですけど。』


『はぁ‥‥
 あいにく彼女はそうじゃないみたいだけど?
 君、奥さんいるよね?
 俺警察に知り合いいるから今から呼ぼうか?
 奥さんもついでに』


『なっ!!‥‥‥‥チッ』


震えがまだ収まらない中、
遠くに消えていく足音に
体の力が一気に抜けそうになったところを
ハルが支えてくれた
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