彼女が服を着替えたら
本社って‥‥あの本社!!?


なんで私が会議なんかに
呼ばれたのかわからないけど、
笑顔で伝えに来た東井さんや周りに
変に思われないようにしないと‥


「わかりました。」

『ではよろしくお願いします。
 明日はそのまま本社に向かい、向こうで
 一日出勤扱いになるそうです。
 作業中にすみません。』

「あ、いえ‥‥お疲れ様です」


ペコリと私や周りに頭を下げると
そのまま荷下ろしの方へ向かっていく
後ろ姿を眺めてしまう


もしかして今朝話していたことが
こんなにもすぐやってきたとか?


本社なんて入社式と研修でしか
行ったことないのに‥‥
下手したら8年ぶりだよ?


『甲斐田さん、手止まってますよ。』


ドキン


いつも私よりも手が止まってる大倉さんには
絶対言われたくない‥‥


でも、かなりびっくりしすぎて、
何個どこまでやってたのか飛んでしまった


また帰ってからちゃんとハルに聞こう。
それまでは変に考えても仕方ない。


わざわざ家で伝えれることを、
みんなの前で伝えて来たことには
きっと意味があると思うから。


会社からハルの車に乗るには
退勤者がまだ少なく勇気がいったので、
近くのカフェの前で待ち合わせをしてから
ハルの車で家に寄ってもらい、
スーツと何日か分の着替えなどを詰め込んだ。

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