彼女が服を着替えたら
『こちらでお待ちください』


いつも働いている倉庫内とは違い、
綺麗なフロアや整った設備、
作業着ではなくスーツやおしゃれな服の
社員さん達全てに緊張する


『甲斐田さん、座って待ってよう。
 フッ‥‥大丈夫だから。』



ハルは何回も来てるからか
全然落ち着いていて普段どうりだし
余裕すら感じる


はぁ‥‥‥
社長室なんて入ったことないし、退職するまで
来ることなんてないと思っていた


さっきの秘書みたいな方も
綺麗で所作が優雅だったから、
同じ女として髪がボサボサのまま
出勤している普段の姿にため息が出る


ガチャ


ドキン


『やぁ、待たせたね。』


えっ?‥‥この人って‥‥


容姿がかなり整い髪もセットされ
体のラインが綺麗に見える
スーツを着こなしている男性に、
ハルと立ち上がり頭を下げた


『社長、お忙しい中お時間作っていただき
 ありがとうございます。』


男性は上着を脱いで椅子にかけると、
ネクタイを緩めていると私と視線があい
ニコリと笑った。


想像してたより若そうな人‥‥。
ハルより少し上か同じくらいにも見える


『晴臣、いいよそういうの。
 甲斐田さんが緊張するだろ?』


えっ?

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