彼女が服を着替えたら
突然のことでまた頭がついていかない。


マンションを出てく?
そんな話全く聞いてない‥‥‥


ハルをまた見上げると、真剣だけど
何処か切ない表情で社長を見ている


『晴臣‥』


『和隆が買ったマンションで
 奈央とこれからも住むのは違うかなって。
 もうそろそろ俺も色々安定してきたし、
 自分の家は自分でなんとかするから。』


あのマンション、高そうだとは思ってたし、
一人暮らしなのにかなり広いから
不思議ではあった。



『甲斐田さん、晴臣が言葉足らずでごめん。
 俺と晴臣は母親が違って、
 俺の母親が亡くなった後、
 父が晴臣の母親と再婚してるんだ。
 父が倒れてから急に社長業を一人で
 やるのは無理だったから晴臣とあそこに
 住んで経営を立て直しながらやってたわけ。
 二年前、俺の結婚を機に晴臣に
 譲ったんだよ。』
 


そうだったんだ‥‥

なんとなく二人が似てるのはお父さんが
同じだからかもしれないけど、私は
ハルのこと全然知らなかったんだと思い
少し胸が苦しくなった
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