彼女が服を着替えたら

私と出会う前は二人で住んでいて、
東井さんがお兄さんを影で支えてたなんて
すごく素敵な兄弟だと思う‥‥


お母さんは違ったとしても、今の二人が
仲が良いのがすごく伝わってくる



『俺は別にそのまま住めばいいって
 思うけどね?まぁ使わないなら
 親父と相談して貸し出すか売るかは
 するさ。晴臣が家を頼らずに
 甲斐田さんと2人で
 やっていきたいなら応援するし。』


『ん、悪いな。
 俺も良い歳だし、奈央との将来や今後も
 考えるいい機会だからな。
 それとさ、もう一つ頼みたいんだけど?』


サラッと私との将来とか今後とか
優しく笑いながら話してるけど、
ちゃんと考えてくれてたことに
嬉しくて顔が熱を帯びていく


真っ直ぐ気持ち伝えてくるから
時々恥ずかしいけどそれってすごいことだ。


『俺をあそこから異動させて欲しい。』


ドクン
 

隣のハルを見上げると、
私の不安そうな視線に気付いたのか、
手をしっかりと握ってくれた


『同じ部署で、同じ住所になると、
 事務の人達はすぐ気付いて噂も広がるし、
 流石に奈央は働きにくくなると思う。
 今の社内の環境はすごくいい。
 だから職場は離れてはしまうけど、
 誰にも気を使わず同じ場所に帰れる方が
 いいと思ったけど奈央はどう思う?』

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