彼女が服を着替えたら
その後ハルが異動して、倉庫内も
東井晴臣のいない空間にも慣れてきた頃、
私達の引っ越しも週末に無事に終わった。


慌ただしく
色々な住所変更にお互い追われて
やっと落ち着いて生活が出来始めていたのだ。


『先に行くよ?今日は早く帰れると思う。』


「うん、分かった。気をつけてね。
 行ってらっしゃい。」


だいたい毎日ハルの方が早く家を出るので、
玄関先まで必ず見送りをしている。


ハグをする日もあれば、
軽くキスをする日もあるけれど、
会社で会えなくても毎日顔を合わせれる
幸せがたまらなく嬉しい


もう恋なんてしたくないなんて
思ってたあの日々が、既に
懐かしくすら感じるほどとても幸せだった


『フッ‥寝癖が可愛いな‥‥行ってきます。』


大好きな手が私のハネてる毛を撫でてから
家を後にすると、洗面所でその寝癖を見て
かなり驚いた。


可愛いレベルじゃない!!


ボサボサなレベルに近いのに、
ハルは相変わらず
そのままでいいって言ってくれる。


だから、職場にも今まで通り髪をとかした
後に邪魔にならないように緩くくくって
マスク姿で出勤していた
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