彼女が服を着替えたら
不自然にならないように
聞いたつもりだったけど、
あからさまな人物特定だったから
変に思われたかな‥‥


横になったまま、
優しい瞳がこちらに向けられ、
頭を撫でていた手が頬に触れてきた


「‥‥‥私とハルが付き合ってること
 を主任が知ってたんだ。」


『はっ?』


えっ!?


予想と違う反応にハルも驚いていて、
私もその反応に驚いてしまい、お互い
その場で固まってしまう


優しく触れていた手も止まってしまい、
不安になった私はハルの手を取り握った


「‥‥ハル?」


私の声に気付きこちらに視線を落とすと、
そのまま覆い被さるハルの唇が
おでこにそっと触れた


『‥‥大丈夫。心配しないでいいから。
 それは不安にさせたな‥‥。
 今日はそばにいるからゆっくりしよう。』


遠慮がちに唇に触れてきたハルのことが
とても愛しくて、自分から首に腕を伸ばし
もう一度唇を重ねた


どうしてだろう‥‥

ハルが大丈夫って言うと、大丈夫な気がする。


『奈央、体調悪いだろ?』


「ううん‥‥抱いてほしい‥‥」
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