彼女が服を着替えたら

恋敵

『いらっしゃいませ。』


家から少し遠出してドライブしながら
到着したのは、海に面したオシャレな
フレンチレストランで、サンシェードがある
素敵なテラス席にハルと座った。


「素敵な場所だね。潮風が気持ちいい‥」


海なんて、なかなかこの歳になると
行かなくなるけど、泳がなくても
眺めながらランチできるだけでも贅沢だ‥‥



『奈央、後でここに知り合いが来るから
 少しだけ一緒に話してもいいか?
 奈央のことも紹介したいし。』



「えっ?‥そんな大丈夫かな‥勿論いいけど、
 なんか緊張する。」


『クス‥大丈夫だよ。安心して居てくれれば
 いいから。』


ハルがそう言うなら大丈夫だと思うけど、
突然のことだとやっぱり緊張してきた


注文しておいてくれた料理をハルと
食べつつも、このあと来る人が女なのか
男なのか気になってしまう


紹介したいって‥‥どんな人だろう?




『晴臣‥‥お待たせ。』



えっ?


食後の珈琲を飲んでいると、
聞き慣れた声と目の前の光景にカップを
落としそうなほど驚いた
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