彼女が服を着替えたら
『奏、やめろ。』
『いいじゃん。槙ってばヤキモチ?』
『二人とも外だからやめろ。
‥‥奏さん離してくれませんか?
彼女が困ってるので。』
ハルの背後から抱きついている相手にも
驚いてしまうけど、慎さんがいるのにも
驚いて、三人の空気感についていけずで
口が開いたまま呆気に取られる
『‥‥甲斐田さんこんにちは。
お休みの日にごめんね?体調大丈夫?』
「‥‥‥えっと‥はい、大丈夫ですけど
‥渡会主任‥ですよね?」
相変わらずハルの首に抱きついたまま
ニヤリと笑う姿は、倉庫内で見る顔とは
1全く違い別人のようだ。
一昨日のことを思い出すと、
かなりまだ警戒してしまいそうなのに、
あまりにも雰囲気が違いすぎて
どう対応していいか分からない。
それにハルは主任のことを奏って言った?
『二人とも目立つから座れよ。
槙、仕事前に悪いな。』
『いいさ、奈央ちゃんの為なんだろ?
奈央ちゃん奏が怖がらせたんじゃない?
ごめんね。』
ハルの隣に席を移動したあと、
向かい側に二人が座ると、
ハルが私の手を握ってニコっと笑ってくれた。