彼女が服を着替えたら
自分がまだ甲斐田から東井になったって
思えないのは、変わらない幸せな日々を
2人で過ごしているからだ。


会社でも甲斐田のままでいいって伝えて
あるので、みんな呼び方も今まで通り。


「おやすみ。明日5時にセットしておくね?」


『ああ、ありがとう‥‥よし、寝るか。』


私を懐に抱きしめてぐっすりと眠り、
次の日は晴天の中2人でイタリアに旅立った


ローマ、フィレンツェ、ベネチア、ミラノと
順番に回る予定で、
ハードスケジュールだけど、
美味しいものと世界遺産を
沢山見れるといいな。



スペイン広場やトレビの泉、コロッセオなど
映画やテレビで見たことしかない場所で
2人で沢山写真を撮りホテルに戻った後
シャワーを順番に浴びた


『1日目は時差と知らない街で緊張したりで
 疲れてないか?』


「うん、大丈夫。ご飯も美味しいし
 ハルと一緒で楽しいから。」


眠る前に窓から外を眺めると、
いつも見ている景色と違って本当に
知らない国に今いるんだなって実感する



『奈央‥‥抱いていい?』


後ろから抱きしめられるとハルの唇が
首筋に触れてきた


「ん‥‥いいよ。」


体の向きを変えると、
すぐに唇が奪われて深いキスが何度も
角度を変えて落とされると、
バスローブの紐がスルッと解かれた。


『‥‥‥‥』


急にキスを辞めたハルに、とろけた瞳で
見つめると、視線を下の方に落として
じっとそこを見ていた


「!!!!あっ!!‥‥」


咄嗟にバスローブの前を抱き合わせようと
した私の手を取られると、恥ずかしくて
顔を横に背けた


普通にシャワーを浴びて何にも考えずに
つけた下着のことをすっかり忘れていて
今になってかなり恥ずかしくなってきた


どうしよう‥‥変に思ったかな‥


『これ今日の為に買ったの?』


スルッとバスローブを肩から外されると
床に落ちてしまい、両腕で胸の前を隠す


ルームライトを背にしているハルの顔が
よく見えないけど、視線だけは感じてる


「‥‥‥うん‥‥おかしい?」


女気がないのは分かってる。
だけど、ハルの前だけでは
ちゃんとしていたいって決めたから



派手すぎないのを選んだつもりだけど、
普段の私がつけてるものと比べれないほど
大人っぽい作りにはなっている。



『‥‥‥まずいな、疲れるから優しく
 抱きたかったのに、無理そうだ。』


えっ?
 
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