彼女が服を着替えたら
両手を広げられると、そのまま抱き抱えられ
ベッドに移動すると、バスローブを脱いだ
ハルに真上から見下ろされた


『綺麗だ‥‥』


慣れてない下着姿のみの自分を見られ、
唇を深く塞がれると、いつも以上に丁寧に
体中に触れてくるハルに甘い痺れを
感じずにはいられない


「ンンッ!!‥‥アッ」


何度も抱かれてきたし、ハルとする時は
いつも気持ち良くて訳がわからなくなる


それでもいつもより感じてしまうのは、
どうしてだろう‥‥



「アッ!深っ‥‥‥ンンッ」


気持ちいいところよりもさらに奥まで
深く繋がり責められると、ハルも気持ちいいのか吐息が何度も漏れている


『‥‥‥‥エロいな、これ。』


ずらされて外されないままの下着に
体の熱も上がり、律動も深く激しく突かれ
喉が枯れそうなほど抑えられない声に、
シャワーを浴びて眠れたのは朝方近くだった。




『大丈夫?』


初めてベッドから立てなくて筋肉痛に似た
体の怠さが出てしまった私を、遅めの
ランチを取りながら心配するハルに
そっぽを向いた。


午前中の観光がダメになったから、
今日はもうしない!!って言った私を見て
ハルは何故か嬉しそうに抱きしめてきたけど、
ほんとにびっくりするくらい
腰が立たなかったのだ


めちゃくちゃ気持ちよかったし、
トロトロにとろけたけど、
貴重な旅行の午前中が台無しになってしまった



あの下着でこんなに喜んでくれるなんて‥‥



昨日みたいなのが続くと私も体が
とてももたないけど、
ハルのために買ったもので喜んでくれたなら
良かったと思う



残りの観光もフィレンツェやナポリ、
バチカンなどを順調に周り、
美味しい食事や、美術館、そしてお土産も
沢山買えて2人の新婚旅行は無事に終わった。



清香や慎さんたちに買ってきたものを
それぞれにわたして、
またいつもの日常を暫く過ごしていた頃、
夕食に出されたシチューを一口食べて
吐き気を催しトイレに駆け込んだ


『奈央!!?』


 
収まらない吐き気に、背中を優しく
さすってくれるハルの片手をずっと握ると
ツラくて涙が溢れ出す


いつも食べてるものなのにどうして急に‥‥


横抱きされたままベッドに寝かしてもらうと
そのままハルも隣に寝転んでお腹の辺りを
優しくさすってくれた。


「ごめん‥‥もう大丈夫。
 せっかくの食事中だったのに‥」


吐き気は収まったもののなんか体が
微妙に怠いままで食欲はもうなくなった


「風邪ひいたかもしれない。なんか怠いし‥
 早めに薬飲もうかな。ハル、リビングから
 風邪薬持ってきてもらえないかな?」


熱っぽいし、ハルにうつすと大変だ‥‥


『奈央。薬は少しやめておこう。
 それより生理ってちゃんと来てる?』


「えっ?‥‥‥あれ‥どうだっけ?」


先月来たのがいつだったのかを思い出すと、
ハッとしてハルの方を見た


「1週間‥遅れてるかも」


旅行から帰ってきて、
溜まっていた仕事を片付けたりみんなに
お土産配ったりしていて、ハルに言われるまで
気にもしてなかった。


2、3日体が少し怠いし胃もたれかなって
思ってたくらいで意外に食べれたし‥‥



『落ち着いたら検査しよう。大丈夫だから』


またお腹を優しくさする手に
引き寄せられると腕の中に閉じ込められて
大好きな香りに包まれていく


避妊はしてたつもりだけど、
旅行の時一度だけしないまま行為をした。


でもそんなタイミングよく出来るのかな‥‥


『怖い?』


「ううん‥‥ハルが落ち着いてるから
 なんか意外と私も落ち着いてるかも。」


『出来てたらいいな‥‥ここに』


まだ分からないけど、もしここに
新たな命が来てくれたのなら嬉しい。
2人でお腹に手を当てると顔を見合わせて
沢山笑った


旅先で END
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