彼女が服を着替えたら
友達とは何か
ガチャ




『いらっしゃいませ‥‥
 って‥なんだ臣(おみ)か。久しぶりだな』


車を少し走らせてから
東井さんに連れてこられたのは
半地下にあるバーだった。


普段はこの通りなんて来たことなかったけど、
バーというより非日常的なオシャレな空間で
足を踏み入れるのになんだか戸惑う‥


『甲斐田さん、どうぞ。』


当たり前のように
スマートに扉を開けてくれる東井さんを
横目で見上げれば、口角を少し上げて
優しく笑った気がした


さっきまでの車内では
泣いていた私を気遣ってくれたのか
あまり話さずにいてくれて助かったのだ


『槙(しん)、今日は会社の子いるから
 何か上手いもの作ってくれるか?』


またもや自然にカウンターの一番端の椅子を
引いてくれると笑顔を向けられると
そこに座らせてくれ、
東井さんはその横に腰掛けた。



『へぇ‥‥会社の子‥‥ね。』


『‥‥なんだよ?』


『別にぃ?‥‥
 ま、珍しいこともあるもん だ。』


カウンター越しに立つ男性は、
中世的で顔立ちがとても綺麗な金髪男子で、
私と目が合いじーっと見た後ニコッと笑った


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